- 看護師の資格って無敵だから転職先って年齢に関係なく見つかるよね?
- 年齢制限で就職できない年になったらどうしよう……
実際には「年齢で落ちました」とは、いわれませんけどね。
今回は看護師転職における年齢制限について、何歳までなら転職先が見つかるのか、年齢に応じた転職の対策についてお伝えします。
この記事を読めば「いつかは転職したいな~」と思っているあなたも「いつまでに転職すべきなのか」決められて、
自分の年齢に応じた転職計画が立てられますよ。
\ おすすめ転職サイト3選/
特徴 | 求人数 | 対応エリア | |
---|---|---|---|
レバウェル看護 | 時給2500円の高時給案件や保育園などレア求人多数あり | 147,700 | 全国 |
看護師求人EX | 有名看護師求人サイトや人材紹介会社の案件を全国10万件以上掲載 | 120757 | 全国 |
メディカルスタジアム | 入職が決定した方全員に、 職種や雇用形態に応じて最大10万円の就業応援金をお支払い | 全国 |
看護師の転職に年齢制限はある? 歴20年以上の見解
「年齢による就業差別はダメ」といわれます。しかし実際のところ、看護師の転職で年齢は重要な要素です。転職を考えた時の年齢制限、建前と本音について看護師歴20年以上の私の印象をお伝えしますね。
年齢制限はある。実際に年齢が理由で落ちた先輩も
「年齢による就業差別はダメ」とはいわれます。でも、私はほんとうに?とも思っています。
同僚の事例を紹介しましょう。
クリニックで同僚看護師からパワハラを受け、辞めるといった50代半ばの常勤ナース。精神的に参っていて、辞めたらすぐに次に就職したいのに、転職先がなかなか決まらないと言っていました。
人柄もよく、経歴に問題なく、注射や処置など技術も素晴らしいのに、です。
本人は「多分年齢のせいで受からないんだと思う……」
と言っていました。
確かに、彼女を見ていると落ちる理由が年齢以外に見つからないのです。3か月ほどかけてやっと転職先のクリニックが見つかったそうです。
一方、30代看護師の友人は1か月ほどで大きな総合病院の転職先を見つけていました。
若ければ転職先が見つかるまでの期間が短く、年齢を重ねるほど時間がかかるのは現実なんだね。
年齢で線を引くことは実際あるんだな、と感じました。
採用側にも都合がある
採用担当者も現場の声からプレッシャーを受けています。
急性期総合病院にいた時、総務求人担当の方が話していました。
医師からは
年齢を重ねた人は仕事を覚えるのが厳しかったり、臨機応変に動けないこともあるから、なるべく若い人にして
と言われるのだと。
現場の看護師からも
使えない看護師が来るのは困るよ。機敏に動けそうな人を採用してね
という声が。
面接には看護部長も入るのですが、現場の声はプレッシャーとなって採用担当者にのしかかります。
複数の看護師から応募があった場合、最終的にはより若く、機敏にうごけそうな看護師が採用されるのは現実。
というのを間近でみています。
年齢を重ねるほど転職後になじみにくい
看護師であればだれでも学んだ人間の年代別発達状況。
年齢を重ねれば精神的にもエイジングが訪れるものです。
看護師は資格職であり、技術を提供するのが主な役割です。
でも、医療も介護もチームで行うものですから、人間関係や調和は重要。
もちろん柔軟性は個々の人間性にもよるものではありますが「若い看護師の方が柔軟だろうな」と思われてはいるようですね。
看護師の就業状況・年齢との関係
看護師転職においては、年齢は重要な要素となりますが、本来は就業に年齢制限は設けられていません。
実際の年齢別の就業状況を見てみましょう。
看護師の年齢別就業状況
厚生労働省の「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、看護師の年齢別就業者数は、以下のとおりです。
年齢階層 | 就業者数 | 就業率 |
---|---|---|
20歳未満 | 11,058人 | 1.2% |
20歳代 | 255,601人 | 26.4% |
30歳代 | 375,619人 | 38.8% |
40歳代 | 274,826人 | 28.6% |
50歳代 | 118,222人 | 12.2% |
60歳代以上 | 13,984人 | 1.4% |
全体の就業率は72.6%で、20歳代から50歳代までは70%以上と高くなっています。
細かく見ていくと年代別就業率中でも最も高いのは40〜44歳で14.2%、ついで45〜49歳で13.9%です。
40代の就業率が高いのは、子育てなどが落ち着き、ブランクがあるナースも40歳になる前に復職をしているからでしょう。
子どもが成長し、高校・大学に向かって学費がかかるようになる年齢でもあるからだでもあると分析します。
40代に入ると就業した人は退職しないと思われるため、40歳になる前に転職先を見つけておく方がよいといえるでしょう。
看護師の就業・転職にかかわる法律
雇用対策法の第10条に雇用にかかわる年齢に関する記載があるのです。
事業主は、労働者の募集及び採用について、年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないこととされています。
また、第11条において、事業主は、労働者の採用に際して、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定する行為を禁止しています
引用元:厚生労働省
違反すると行政指導を受けたり、ハローワークへの記載が見送られたりすることがあります。
このように法律上「年齢差別はダメ」とは言いますが、法令に反して募集要項に年齢制限を設けたり、年齢を理由に採用を見送ることは実際にあるんですよね。
年齢を理由に雇用を制限するのは法律では禁止されていますが、罰則はないのが現実なのです。
実際の求人で年齢記載はあるのか
2023年10月の時点で、実際に看護師の求人情報をネット検索してみてみましたが「何歳から何歳まで」と年齢で区切った募集は見当たらないようです。
やはり、法律で禁止されているから、求人掲載については、みんな守っているんですね。
しかし……。
- 美容クリニックの求人で「20代~40代活躍中」
- 病院の求人で「40代・50代活躍中」
- 大学病院の求人で「20代~30代で管理職を任されるスタッフもたくさんいます」
などの記載はあります。
一定の年代を募集していることや、何歳までの看護師が欲しいなどの記載はありませんでした。
看護師が転職しやすい年齢と転職プラン
法的に年齢による雇用差別はダメ、といわれても年齢による区別があるのは現実。年齢と転職の攻め方について考えてきました。
難なく転職できるのは30代まで
年齢による採用の区別で罰則はないですし、年齢で落とされたことなどだれにも証明できません。
かつての同僚が行っていた転職活動や私の転職歴を通じて感じること。
30代までならいくらでも求人はあること。これが現実ですし、転職活動を通して実感していることです。
30代までなら転職先が見つかるまでの期間が短く、比較的自分が希望する求人に採用されやすい。
もちろん、仕事を選ばなければ看護師には70歳代・80歳代でも求人はありますけどね……。
長く働ける職場を40歳までに見つける
転職先は年齢を重ねるほど難しくなることを考えると、
40歳までに定年まで働けるような職場を見つけておくのがいいでしょう。
残業が比較的少なく、給与などの待遇のいい職場は辞める人も少ないんです。
いい求人にたまたま欠員が出た時には入れたらラッキー。
私がかつてクリニックで勤務していた時に、看護師の欠員が一人だけ出ました。
二人の看護師から応募があり、採用選考を進める時に院長がいった言葉は「若い方をとる」でした。
いくら法的な決まりがあっても、雇用を決めるのは「人」ですし、馴染まなければいけないのも「人の輪」です。相手が望んでいる年代のうちに転職を決めたいものですね。
看護師の年齢別ねらえる転職先と成功のポイント
年齢によって採用されやすい職場は実際にあります。年代別転職の攻略ポイントについて挙げていきましょう。
20代看護師の転職
20代看護師の転職理由
若くてエネルギーのある看護師は「もっと自分のやりたい看護がしたい」と
キャリアアップを考えて転職することが一番多い転職理由です。
- やる気はあるのに処置や新しい治療を学べない病院に就職してしまった
- 患者さんとしっかりかかわりたかったのにオペ室に配属された
- 希望の配属科とかけ離れている
自分のやりたい看護ができないという理由が多いようですね。
初めての就活でよくわからなかったが、全く自分に合わない雰囲気の職場を選んでしまった……就活でミスをしたという理由もあります。
人間関係や業務の内容も含めて合わなかったと思うこともあるでしょう。
20代看護師が転職を成功させるコツ
そのため、自分が興味を持っている分野や、スキルアップできる病院・施設を選ぶことが重要になるでしょう。
理想を言うと就職後は2〜3年の経験を積んだのちに転職するのがオススメです。1年目ではもっている知識・技術などのスキルが少ないため。
また20代の看護師は、基本的な看護技術や知識を身につけたばかりの年代です。そのため、即戦力として活躍できるスキルや経験をアピールすることが重要です。
初回の就職で叶わなかった希望を20代の転職で叶えるのもありです。
私の友人で、大学病院の内科に配属されたナースがいました。本当は小児科で働きたかったのですが、希望者が多すぎて、配属希望を出しても通らなかったのです。
彼女は2年勤務したのち23歳で公立系の小児専門の病院に転職していきました。
セカンドキャリアで夢がかなって満足したそうです。
また、20代は売り手市場。転職先での働き方や待遇面も転職先を選ぶときに重要なポイントとなるでしょう。
30代看護師の転職
30代看護師が転職する理由
30代の看護師は、結婚や出産・育児などのライフイベントをきっかけに転職を考える人が多い年代。
一方で30代は、ある程度の経験をつみ、スキルや知識も身につけてきた年代ですから、即戦力としても活躍できる年代です。専門分野を深めたり、管理職を目指したりすることも可能ですね。
一番働き盛りで看護の仕事が面白くなってくるけれど、家庭優先にするには忙しい病院では継続が難しい……とキャリアと社会的役割の両立に一番悩む年代なのです。
30代看護師転職成功のコツ
30代のライフステージに合わせて、働き方や職場環境を検討しましょう。
家庭と両立しやすい職場を優先するのか、看護師としてのキャリアアップを優先するのかは自分の価値観と家庭での協力者次第です。
30代は若く、やる気がみなぎっているため「本当はもっとバリバリ働きたいのに」と思うナースもいるでしょう。忙しい病院などで家庭と両立できるかどうかは、看護師の体力や資質、周囲の協力体制によります。
子育て中心の生活にしたいから時短のパートで働きたいのだけど、
「家のローンがあるから常勤をやってくれ」と夫にいわれた……
と話す先輩看護師もいましたね。
自分の意見だけでは転職先を決められない場合もあるんですね……
家族の意見も大事ですが、体に無理を重ねて転職を後悔しないよう、慎重に転職先・就職先を選ぶようにしましょう。
40代看護師の転職
40代看護師が転職する理由
40代の看護師は、経験豊富でリーダーや管理職として活躍できる人材として期待されます。
マネジメントスキルや指導力が身についているナースもいるでしょう。
キャリアアップやスキルアップを目指して、転職を考える人が多い年代です。
一方で30代に比べると「少しずつ体力が落ちてきたな」と実感することもある年代です。夜勤のない仕事、体力的負担の少ない仕事に転職を希望するナースもいます。
40代看護師の転職成功のコツ
40代の看護師は、経験豊富で、リーダーシップやマネジメント能力を求められることが一般的です。
これまでの経験を活かして、管理職や教育担当などのポジションで活躍できる転職先を探すのがおすすめです。
一方で、子育てのために退職していた看護師が復職するのも40代が多いのです。
30代で出産し、子どもの手が離れてくるのが40代。ブランクが5年・10年あると忘れている看護技術もあるでしょう。
ちょっとの期間でも現場を離れると、看護技術の常識も変わってしまっていることもありますね。新しい物品が出てたりもするし。
50代看護師の転職
50代看護師が転職する理由
50代看護師は、体力的な負担を減らして、無理のない働き方を検討し、転職を考えるケースがあります。
看護師としても人としても経験は豊富で知恵もありますが、体力がつらくなってくるです。
体力的な負担さえ減らせれば、定年まであと10年〜15年と、まだまだ長く働ける年代です。
50代看護師が転職する理由
50代になると転職が難しくなるのは現実としてあります。
しかし、豊富な経験と知識を活かして、後進の育成や新たな分野へのチャレンジなど、幅広い活躍が期待されます。
これまでの経験を活かして、指導や教育の役割を担うこともできますので、自分の長所を把握し、転職の時には上手にアピールしましょう。
これまで培ってきた経験やスキルを活かして、やりがいを持って働ける転職先を探すのがおすすめです。
職場ごとの就業者の看護師年齢
大学病院
20代・30代の比較的若い看護師が多いようです。
職場にもよりますが二次救急・三次救急まで受け入れる現場は忙しいこと、夜勤回数も多いこと、を考えると適応するのが若い年代だからです。
大学病院は教育機関でもあるため、キャリアアップを希望する20代30代が在籍します。
私が大学病院で働いていた20数年前は、在職者の9割が20代看護師でした。
私が大学病院で働いていた20数年前は、在職者の9割が20代看護師でした。
2023年現在の大学病院を見ていても在職期間は9年でも長い方ですので、若い方が多いようです。
参考までに
北里大学病院看護師の平均在職期間は9. 7年。在職者の平均年齢は32.7歳、そのほか私大病院の平均在職年齢は32.4歳となっています。
参考:北里大学病院看護部
急性期病院
急性期病院御病棟も20代・30代の看護師が多いです。
統計はありませんが、二次救急の病院勤務時に病棟勤務をしている看護師は若い世代が多かったのです。救急を受け入れている病院はどの時間帯でも緊急入院が多いのです。
急性期病院も、職場の忙しさから体力的にはきついため、対応できる若い年代が勤務していると考えられます。
クリニック
消化器科・整形外科・泌尿器科などの単科クリニックは、30代〜50代まで幅広い年代の看護師が活躍しています。
クリニックを開業する医師は40代代以降が多く、処置をするのにある程度のスキルを持っている看護師が必要とされるからです。
ときに、自分の思い通りに処置の介助が進まないとおこる先生はいますからね……
医師がのぞむとおりに介助できる看護技術は必須です。
職員が少ないため、教育にかける人員も時間も少ないため、既に知識や技術があり、即戦力となる看護師が求められるのです。
年齢は関係なし・幅広い年代の看護師がいる職場
年齢に関係なく採用される職場、実際に幅広い年齢層のナースが活躍している職場を紹介します。
訪問看護
訪問看護は、在宅で療養している患者のもとを訪れ、医師の指示に基づいて在宅の看護ケアなどをおこなう仕事です。
例えばCVが挿入されている患者さんの点滴管理や尿管カテーテルの管理、デクビの処置など。精神科患者さんへの看護指導もあります。
患者さんの状態は変わらないことが多く、受診の可否の判断は必要ですが急変の対応や厳しい看護判断を迫られることは少ないです。
日中のみの仕事がほとんどで、年代に関係なく30代・40代・50代などの看護師が活躍しています。
療養病院
療養病床も年代に関係なく30代〜60代の看護師が活躍しています。
理由は患者さんの状態はほぼ変わらず、看護処置やケアもきまった内容が多いため。
入院している患者さんは脳梗塞や脳出血後の麻痺がある方で、長期療養をしている患者さん。症状は安静の方がほとんどで、状態は変わらない方が多いのです。
看護処置としては点滴・喀痰吸引や体交・清拭や口腔ケアを行います。きまった医療行為・看護行為が多く新しい治療などはほぼ導入されず残業もほとんど無いため、どの年代にも働きやすい職場になっています。
介護施設
介護施設も年代を問わず看護師が働ける場所です。
要介護状態になった利用者さんの日常生活を支える生活の場ですので、主な仕事は健康管理です。福祉施設ですからほとんど医療行為はありません。
一部医療行為があり、服薬管理はほとんどの方に必要、ですがそのほか胃ろう管理や吸引などはきまった人数です。新しく何かの治療を覚えることも看護研究もありません。
残業も少なく体力的な負担が少ないため、どの年代でも活躍できる職場なのです。
年代に関係なく転職を成功させるコツ
確かな看護技術を知識を身に着けておく
年齢を重ねた看護師の武器は経験です。
看護技術では、教科書通りにできないこともあり、患者さんや医師のイレギュラーな反応への対応も求められますよね。
- どう見ても点滴が漏れているようには見えないのに患者さんが痛がるとき
- 本来なら患者さんが納得するような説明のはずなのに、納得してもらえない時
- 医師がスネてしまい、診察が進まない時……
ああ。どれもありますねえ。
経験があればさまざまなトラブルにも対応してきているのです。
今までの経験がしっかりと活きるよう、日頃から根拠とともに経験を貯金しておくようにしたいものですね。
人として感じの良さを身に着ける
愛想のよさ、感じの良さは武器です。
かつて一緒に働いていた先生が、看護師の採用選考に迷ったときに「あのひと感じがいいからとろうかな」と言っていたのを聴きました。
感じのいい人は、患者さんへの接遇もきっと良いだろうと期待できますしね。
感じのいい人は、患者さんへの接遇もきっと良いだろうと期待できますしね。
ちょっと鏡を見てください。能面のような顔で面接に臨んでいませんか。
自分も含めてね……。(反省
)顔の筋トレだと思って、笑顔の練習もしておきましょう。
年齢に関係なく転職成功させたいなら転職サイトを利用しよう
年齢で雇用差別してはいけないことにはなっているのですが、看護師の転職が年を重ねるごとに難しくなるのは現実です。
年齢がかえって有利になる職場もありますので、年齢がネックだな…と転職相談をしたいときには、転職サイトに相談してみましょう。
\ 幅広い齢層の求人をカバー /
コメント