子どもがいるナースのあなたは
- 子どもが1歳になったら働きたいけど、どんなところがいいんだろう?
- 出産後に退職したけど、子持ちで自分にあった看護の仕事、見つかるかな……
などと悩んでいませんか?
子持ちのママナースが転職したり、復職したりする時には不安がつきものですよね。
この記事では子どものいるママナースが職探しする時のコツや、向いている職場についてお伝えします。
いま育休中の方も、今後転職を考えている方も、どんな職場がママ向きなのかを知って自信をもって看護師の仕事を探せますよ。
ママ看護師が仕事と子育てを両立するためのコツ
ママ看護師が仕事と子育てを両立するためには、以下のようなコツがあります。
- 自分に合った働き方を選ぶ
- 家族や周囲の人に協力してもらう
- 子どもの保育や教育の手段を考える
具体的に確認してみましょう。
自分に合った働き方を選ぶ
ママ看護師が仕事と子育てを両立するためには、まず自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
自分の家庭環境や子どもの年齢、収入やキャリアの目標などを考えて、正職員やパートなど、働き方の中から最適なものを見つけましょう。
また、働き方を選ぶ際には、勤務先の雰囲気や人間関係、シフト制度や休暇制度などもチェックしましょう。
自分に合った働き方をすることで、仕事に対するモチベーションや満足度が高まります。
家族や周囲の人に協力してもらう
ママ看護師が仕事と子育てを両立するためには、家族や周囲の人に協力してもらうことも重要。
とくに、パートナーや親などの身近な人には、子どもの世話や家事などを分担してもらいましょう。
復職や仕事復帰の前にはしっかりと役割を話し合っておくことですよ。
また、友人や同僚などの信頼できる人には、相談したり励ましてもらったりしましょう。家族や周囲の人に協力してもらうことで、負担やストレスを軽減できます。
わかる!一人でなんでも抱えているんじゃないって思えると、気が楽になりますからね~
子どもの保育や教育の手段を考える
ママ看護師が仕事と子育てを両立するためには、子どもの保育や教育の手段を考えることも必要です。
とくに子どもが小さい時は、保育園の風邪の流行にのり、発熱をしがちです。
保育園は37.5℃以上の発熱や腹痛など体調不良がある時に、保育はできないんですよね。
預けられなかったときはパートナーが変わりに休んでくれるのか、病児保育はどうするのか。こうした問題が起きた時のシュミレーションをして準備をしておく必要があります。
ママ看護師の働き方の種類とメリット・デメリット
ママ看護師が働く方法は、大きく分けて以下の4つに分類できます。
- 正職員
- 常勤パート
- 非常勤パート
- 派遣
それぞれの働き方には、メリットとデメリットがあります。以下に、特徴を簡単にまとめました。
正職員
正職員として働く場合は、一般的にはフルタイムで勤務します。
私もそうでしたが、出産前は正社員だったナースがほとんどかと思います。
正職員のメリットは、安定した収入や福利厚生が受けられることですよね。また、キャリアアップやスキルアップの機会も多くあります。
一方正職員のデメリットは、勤務時間や休日が不規則であることや、残業や夜勤が多いことです。
拘束時間が長いと、子どもの世話や家事をする時間や体力を奪われますよね……
また、正職員は退職する際にもなかなかやめさせてくれないなど、ハードルの高い場合があります。
常勤パート
病院によっては「常勤的非常勤」や「契約職員」などと呼びます。
常勤パートとして働く場合は、一般的には週5日で勤務します。
常勤パートでは勤務時間は短縮され、残業はほとんどないことが多いのです。
これにより、子どもや家族と過ごす時間や自分の時間を確保しやすくなります。
一方常勤パートのデメリットは、正職員に比べて収入や福利厚生が低いことです。また、キャリアアップやスキルアップの機会も少なくなります。
非常勤パート
非常勤パートとして働く場合は、一般的には週1〜4日で勤務します。
非常勤パートのメリットは、自分で勤務日や時間を選べることです。
ママナースの体力に合わせて時間帯を選んで契約することで、子どもの都合や家族の予定に合わせて柔軟に働けます。
非常勤パートのデメリットは、収入や福利厚生が低いこと。さらに、非常勤パートは雇用形態が不安定であり、勤務先や勤務条件の変わる可能性が高いことです。
万が一病院の経営が悪化したら、先に契約解除になるのは非常勤パートの危険性が高いんですよね
派遣
派遣として働く場合は、派遣会社を通して、短期間や長期間で様々な医療機関・福祉施設などに勤務します。
派遣のメリットは、子どもや自分のスケジュールに合わせて仕事を選べること、高い時給が比較的高いこと
私の派遣仲間には、小学生の子どもの夏休み・冬休みに派遣の仕事を入れずに子どもと過ごす、など決めているナースがいました。
一方派遣のデメリットは、雇用が安定していないこと。健診採血はシーズン以外に募集は少なく、人気のある案件はすぐに埋まってしまい、看護師同士で仕事の争奪戦があります。
ママナースにおすすめ・子育てしやすい働き方具体例3選
どの病院・施設にもママナースはいます。が、私が20年以上の看護師経験の中でママナースが働きやすいなと実感した職場の具体例をお伝えしますね。
職員数の多い病院外来
100床以上の病床数がある、比較的規模の大きな病院の外来はママ看護師におすすめ。実際に小さい子どもを持つママナースも多いのです。
具体的には地域の基幹病院など中規模以上の病院がいいですね。外来にも力を入れ、外来看護師も多いでしょうから。
私も子どもが保育園に行っているときは100床ほどの病院で外来パートとして勤務していました。居心地は良かったですよ。
ママ看護師に向いている理由は拘束時間。基幹病院などであればある程度の忙しさは予想されますが、外来は受付時間があり、診療は日中に終わります。
常勤の勤務形態を選べば残業はありますが、パートであれば定時で帰れることも多いのです。
保育園の迎えがあるママは夕方帰ってからが戦争の様に忙しいので、定時帰りは重要です。
保育園の迎えがあるママは夕方帰ってからが戦争の様に忙しいから、定時帰りは重要ですね!
また、同じ部署に一定人数の看護職員がいれば、万が一子どもの発熱で休むことがあっても対応してもらいやすいでしょう。
病院規模が大きければ看護職員も多いはずですから。
私が病院外来パートとして勤務していた病院は患者数は多く、処置も多かったのですがやりがいはありました。
子どもの急な発熱で欠勤しても、周囲も同じようなママナースたちなので嫌味を言われることは一度もなく。
子育てしやすかったなあ、と感じています。
健診センター
健診センターがママナースに向いているのは、残業がないこと、急変がほとんどないため精神的に楽であることです。
残業についてですが、健診は時間予約制のところがほとんどで予定人数が決まっているため、イレギュラーはほとんどありません。
キッチリ帰れるのは子育てママナースにとって好条件ですね。
ただし、移動のある健診請負をしている事業所で常勤看護師になった場合、先方の会社への移動があります。
中には早朝5時半会社に集合し、バスで依頼先の会社に移動する場合もあるので注意しましょう。
病院は疾患を抱えた患者さんですが、健診は健康で訪れる方。たまに採血時に気分が悪くなる方はいますが、急変の危険性が低いのは、精神的な緊張感が違います。
子育て中のママナースは仕事で限界まで緊張感を高めると、ストレスで帰ってから子どもにかまう気力が起きません。抑えられるストレスは少しでも抑えたいものです。
ただし、健診は相手がお客様ですので、看護師には接遇面では厳しい目が向けられると覚えておきましょう。
企業資本病院の病棟
病院と言っても大学病院など研究機関や3次救急までやっている病院ではありません。ママナースには以下のような病院が良いな、と友人を見て感じます。
企業が資本を入れているような病院
共済組合などが運営している病院
理由は、看護師の労働条件に企業の考え方が反映されているから。古くからの医療法人は看護師の労働条件は改善されないことがあります。しかし、
企業資本の病院は企業理念が取り入れられ、産休・育休・時短勤務制度などが充実しているケースは多くみられます。
看護師を社員として大事に扱おうという姿勢が見えますよね。
もちろん、個々の病院の方針次第ですが、
看護師の待遇に自信がある病院は、職員への具体的な待遇をホームページに記載していることが多いですね。
転職サイトでも育児休暇制度充実の情報を検索できるので、相談だけでもしてみることをお勧めします。
条件次第でママナースにお勧めの働き方
保育園
保育園看護師は日勤のみで残業が少なく、仕事内容は園児の健康管理やケガ・急病の対応など。ほぼ定時で帰れます。拘束時間が決まっていることは、ママナースにとって良い条件です。
ただし、保育園看護師の働きかたは、運営する会社や園長先生の方針次第。
まれに、看護師を保育士とカウントして園児のクラス担任をまかせる会社があります。
看護師を保育士とカウントしても、法律的にはOKなんですよね。
クラス担任となると書類は多くなり製作もありますし、何より「看護師は保育士ではない…」とストレスを感じる結果となります。
業務内容・看護師の役割は就職する前にしっかりと確認すべきです。
看護業務のみでたまに保育補助に入るのであれば子育てママ向き。保育士同様の担任業務があれば、子育てママナースにはおすすめしないのです。
企業や学校保健室
企業看護師は社員の健康維持・促進のため、学校保健室看護師は生徒や先生の健康維持・増進のために活動をします。直接の看護や急変はほとんどなく、相談業務などが中心。
体力的な負荷が少ないため、ママ看護師に向いている職場です。
具体的には、社員・学生の健診の手配。会社や学校からスケジュールを確認し、健診事業者と相談して健診日程を組みます。
ほかに、健診結果で不安のある方や、ストレスなどで精神面で不安がある方は医師の相談につなげるなどします。
あったとしても、会社が自宅から遠い場合は通勤時間がかかるケースもあります。
たまたま自宅から近い場所に求人があれば、ラッキーといったところですね。
福祉系施設
老健・特養・ショートステイ・デイサービスなどの福祉系施設はママナースにあっている働きかた。
お看取りはあっても急変対応はほとんど無く、看護処置などもほとんど決まった方に決まった処置のみというケースが多いです。
忙しさのために走り回る……ようなことも少ないでしょう。
後は、運営が医療施設ではなく介護施設であり、介護保険制度を利用した施設案。
ママナース自身が「看護師にできることには限界がある」ことを受け入れて仕事できるか、ですね。
条件次第といったのは、看護職員職員が少ないデイサービスの欠勤をするとき、施設長の方針によって異なること。
医療処置のないデイでは、欠勤しても「血圧は介護士が図ってもいいし今日はナースなしでいいか」となる場合もあるんです。
しかし、場合によってはナースが欠勤すると代わりにほかの看護師が出る必要がある施設も。
急な欠勤が他スタッフの負担になる施設は、ママナースにはお勧めしません。
小さい子どもがいるママナースにはおすすめしないNGな働き方
単科クリニック
医師が一人で診療するような単科クリニックは、診療介助につく看護師は1〜3人。
クリニックでは看護師が少なく、一人当たりの役割が大きすぎるため、一人の欠勤が職場に大きなダメージを与えます
たとえば
整形外科のクリニックは、問診・診察や処置の介助・手術が必要であれば転送病院の手配
ペインクリニックであればブロックやトリガーポイントの介助
消化器内科であれば診療介助、CFやGFの介助、検体管理
職員数が少なく、職員数の少ないクリニックでは、子どもの病欠を理由による欠勤はしにくいのが現実。実際に私も過去に働いていたクリニックで、小さい子どもがいるママナースが欠勤続きで陰口を言われているのを聴いていました。
聴く方もストレスなんですよ……
すべては院長先生の性格や職場の雰囲気にもよるので、一概にはいえませんが……
ですので、いざという時の子どもの預け先がないママナースは、避けたほうがいいでしょう。
単発派遣
絶対に仕事に穴をあけられない単発派遣は、子育て支援体制がととのっていないママナースには不向きです。
単発派遣では、依頼主が「この日、人がいないから看護師を確保したいな」と思った日に派遣会社に派遣を依頼します。
穴埋めのために依頼をしているのに、欠勤などあり得ないんです。
私も派遣登録していますが、事前の注意事項で「一度決まったお仕事のキャンセルはできません。急な欠勤などの場合、次回からお仕事は依頼できなくなるおそれがあります」と説明されます。
まあ、当然だろうと思います。派遣会社も依頼主から信用を失いますからね。
ただし、万が一子どもが体調不良になった場合の預け先を確保できていれば、ママナースでも単発の仕事は可能です。
看護職員数が多い病院のように「休みます」の連絡だけでOK、とはいかないため、単発派遣の仕事はママ看護師はやめておきましょう。
急性期病院の病棟・ICU
急性期病棟の忙しさから業務内容自体が看護師の負担になること、残業のリスクが高いことからママナースにはお勧めしないかな、と思うのです。
急性期は病棟内の患者さんの状態が変わりやすい。救急の受け入れもしているでしょうから、緊急入院などもいつあるかわからない。
急性期の病棟は業務内容自体が忙しく、残業になることが高い職場です。
体力も精神も限界まで病棟で消耗し、子どもを迎えに行っても口を利く気力もない……ってこともあり得ます。
ママの体力と育児の協力体制次第ですが、ママナースの体力面からも、労働条件の面からも急性期病棟は不向きかなと思います。
ママナースが働きやすい職場を知って復職・転職に役立てよう
看護師の雇用形態や職場は多様ですが、ママナースウェルカム! の職場と、そうでない職場は実際にあります。子どもが小さくても看護師が欠勤しなければいいんですけどね。
大事なのは自分も家族も無理なく続けられる自分にあった働きかたを見つけることです。
もちろん、すべての職場が当てはまる訳ではないのですが、一般的な傾向は知ったうえで職探しをした方がいいでしょう。
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