ママナースの扶養内働き方ガイド|もと扶養パート看護師が解説!

看護師・扶養の範囲内で働くか扶養を外れるか

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  • 子ども優先の働きかたでパート看護師をしているけど、いまのままで損しないかな
  • 結局得する扶養内の働きかたってどれくらい?
  • パート看護師だけど、年収の壁がいくらとか意味がわからないで働いてる

扶養内で働くママナースは年収の壁を意識して働いていますが、結局扶養って何かよくわからない方も多いでしょう。

扶養の年収の壁には税制上と社会保険上の壁があり、うっかり範囲を超えると働き損が生じます。

扶養の年収の壁には税制上と社会保険上の壁があり、うっかり範囲を超えると働き損が生じます。

今回のブログ記事は、扶養の範囲内で働くパート看護について、税制上や社会保険の壁について、どんな働きかたがよいのかなどについてお伝えします。

急性期総合病院で時短パート看護師として働いていた、私の経験談つきです!

今の働きかたで損をしていないかモヤモヤしているナースは、自分の働く方が損をしていないかがわかり、今後のキャリアデザインについても考えられますよ。

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目次

扶養内で働くとはどういう意味なの?

実際に扶養の範囲内で働いている看護師にも「扶養ってなに?説明して」といわれてもよくわからない人は多いものです。

実際に私も、人に説明ができるほどにはわからずに病院で扶養内パート看護師をしていました。

扶養とは

扶養とは、自立して社会生活を営めない家族・親族の生活ができるよう、経済的に助けることをいいます。経済的に助けるとは、税制面・社会保険の面ですね。

【扶養内で働く】とは、年間収入が一定の限度額以内になることを意味します。

限度額は、扶養者が所得税法上の扶養親族に該当するかどうか、または社会保険での扶養資格を保持するかどうかによって違ってきます。

扶養に入って税金も社会保険料も払わなくてお得!

お得かもしれませんが、社会的には【自立していない人】と定義づけられているのですね。

税制上の扶養内に入るなら意識すべきパート看護師の働きかた

扶養内看護師として働くときの、税制上の優遇処置を受ける年収の壁についてお伝えします。

【年収100万円の壁】をこえると住民税が発生

扶養内で働くパート看護師が年収100万円をこえると、住民税が発生します。

翌年から住民税の支払いが発生することになるのです。

年収101万円であれば、住民税は約7500円。

住民税は【市町村税と都道府県税の合計】で構成されており、金額は収入や住んでいる地域によって異なります。

住民税が発生することは、家計にとっての追加的な支出となるため、年収100万円の壁を意識することが重要です。

【年収103万円の壁】をこえると所得税が発生

年収が103万円を超えると、住民税に加え、所得税を支払う義務があります。

計上する年収には非課税の交通費は含みません。

税額がどれくらいかと言えば、年収104万であれば、所得税は約500円。すでに住民税7500円が発生していますから、支払う税金は約8000円ですね。ただし、住民税はお住まいの地域によって異なります。

年収と税の関係(年収104万まで)

年収引かれる税金手取り額
100万円0100万円
103万円住民税7500円102万円
104万円住民税7500円・所得税500円103万2千円
                                                 ※住民税などは地域によるため参考値

104万円を超えると住民税と所得税のために半日働くイメージですね。

100万円からほんの3万円の手取りを増やすために看護師の日給3日分くらい使うのは損な感じ。

年収100万~103万円の周辺をうろつくぐらいなら、130万円まで働いた方がいい印象ですね。

年収195万円までであれば、所得税率は5%。ただし、あとで述べますが社会保険の壁があるので注意が必要です。

パート看護師が社会保険の扶養を外れる年収など条件

【年収106万円の壁】を超えると条件により社会保険加入義務

パート看護師が年収106万円を超えると、条件によっては扶養家族から外れ、個人で健康保険や年金保険に加入する必要が生じます。

年収106万円以上で社会保険の加入義務が発生する条件
  • 学生ではない
  • パート先の病院の従業員数が101人以上(2024年10月から51人以上)
  • 2か月以上継続して勤務の予定がある
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • パート代が8万8千円以上

規模が大きな総合病院や介護施設などで職員が101人以上の場合は加入が必要かもしれませんが、個人のクリニックでパートをしているナースは従業員が少ないですから該当しないでしょう。(2023年12月現在)

ただ、従業員数については法改正歴あり、2022年以前は501人から101人へ変更となり、2024年51人へと徐々に条件となる人数が減少しています。

今後の動きが気になるところです。

【年収130万円の壁】を超えると社会保険の扶養は外れる

年収が130万円を超えると社会保険の扶養家族としての資格を失い、自分で健康保険や年金保険に加入し、保険料を支払う必要があります。

社会保険の支払いにより、家庭の経済的な負担がふえることになります。

私が以前いた職場でも、ほとんどのパート看護師は年収130万円を意識して働いていました。

年末130万円を超えそうになると、パート看護師はあわててシフト調整するんだよね。

パート看護師の一部が12月になると急に来なくなるため、常勤看護師から「ずるい」といわれ、人間関係でもいざこざの原因に。

シフトは1年通して同じ程度に入れるよう、師長さんにいってあらかじめ調整してもらった方がいいですね。

なお、年収130万円の壁をこえるか否かで計算する年収は、交通費やidecoで支払った保険料を含んだものです。

いかなる場合でも年収が130万を超えると自力社会保険に加入しなくてはならないのです。

扶養内パート看護師の損しない働きかた

扶養を超えないパート看護師の働き損とは?

働き損とは、扶養のボーダーラインを超えて働いたことで、支払う税金・社会保険料などが発生して天引きが増え、かえって年収が低くなってしまうことです。

年収社会保険料・住民税などの控除手取り
130万円約22万円108万円
150万円約30万円120万円
                                      *住民税などは住んでいる地域により算定額が異なります

年収130万円以上になると、社会保険料・住民税・雇用保険料などが発生130万円以下に抑えていた時よりかえって手取りが低くなる「働き損」の状態になります。

年収150万円になると、手取り120万円になり、もともと扶養の範囲であった130万円のボーダーライン位近い年収に。

働き損が発生しないのは、年収150万円以上を目指して働いたときですね。

そうですね。でも、社会保険料を支払うことは自分にもメリットがあるため「働き損」だと思うかどうかは価値観次第といえますよ。

扶養をはずれての社会保険加入はメリットもある

社会保険などに加入して手取り額が減ることは「損ばかり」とも言えません。医療費の負担額や老後に受け取る年金額で恩恵を受けることがあるから。

扶養でいる間は第三号被保険者ですので、国民健康保険に加入しているのと同じ。支払われる年金額は厚生年金に比べ安くなります。

しかし、厚生年金加入で受け取れる年金額がアップします。(加入年数など条件あり)なにより、看護師として働けるうちに働いて世の中の年金構造を担い、今のお年寄りを助けている事にもなりますね。

社会保険の扶養を外れるメリット
  • 厚生年金のメリット→将来受け取れる年金額がアップ
  • 雇用保険加入のメリット→退職時に失業手当などがもらえる可能性がある
  • 健康保険加入のメリット→医療費の窓口負担額が3号被保険者の時よりも安い

扶養を外れて社会保険に加入するデメリット

デメリット
  • 働き損をなくすまでに労働時間を増やすのがきつい
  • 社会保険料を払っていて本当に将来貰えるのか不安が残る

社会保険の加入は社会構造をになう労働看護師として必要だってことはわかっています。

でも、半日時短パート看護師が長かった私は、損しない働きかたに達するまで労働時間を伸ばすのがきついなと感じました。

将来の為に労働時間を増やして社会保険に加入するか、働き損がでないように働きかたを抑えるかは家庭の状況や自分の体力と相談して決めましょう。

扶養内看護師の働き方事例

扶養の範囲内に年収を抑えて働く看護師は、働きかたが限られます。「いつでもフルタイムで働いてほしい職場」からは求められていないから。私の経験も含め、扶養内で働ける看護師の働きかたを紹介しますね。

扶養内で働くとき注意すべきは看護師の平均時給

看護師は他の職種に比べ、時給が高い傾向にあり、労働時間を増やすとすぐに扶養を超えてしまいます。

危険手当を含めると当の看護師は時給が高いとは思っていませんけどね。

全国平均での看護師時給は、1700円ほどです。

私が住んでいる首都圏では2023年12月現在、募集しているパート看護師の時給は1800~2000円が相場。

1700円で看護師を募集している求人はいつまでも求人が決まらない印象です。

時給が2000円近いため、半日も働くとあっという間に8000円、残業をすると9000円と増えるのです。

病院時短パートとして扶養内で働く

就業場所病院
業務内容外来診療介助のパート
勤務時間・日数など9~11時  週3~4回  11回勤務/月
給与など条件時給1800円 8万5千円/月 130万円以下/年
備考月に出勤できるシフト数は守ってもらう。年末に働けなくなるため。

職員数の多い病院では、午前中のみの外来もあり、午前の人手不足を補うために半日パートを募集していることがあります。

ただし時短パート枠は少ないため、当然ながら退職者がでて職員の欠員が出た時のみの募集。応募にはタイミングが必要ですね。

ほかにクリニックや病棟でも時短パートを募集していることもありますね。

病院時短パート看護師の求人は、職安やナースセンター、病院のホームページからの直接応募が主です。

もしくは今まで働いていた職場で働きかたを時短に変えたいと希望を出すか、ですね。

看護師転職サイトでは時短パートを扱っているのは少ないのですが、ではみかけました。

病院やクリニックの時短パートを探すなら、に登録がお勧めです。

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デイサービスの看護師として扶養内で働く

就業先デイサービス
業務内容利用者の服薬管理・バイタルサインチェック・リハビリ補助など
給与9時~15時 週2~3回  8回/月
給与 時給1700円 81600円/月 130万以下/月
備考配置基準としては利用者さんがいる日中に一人の看護師がいればよいため、一日中勤務する必要はない。ただし、介護士不足のため介護の担い手としてあてにされることはある。

デイサービスでは看護師に主義の困難な医療行為など、高い技術を求められないためか、福祉施設は病院よりも時給が安い傾向にあります。

デイサービスの時短パート看護師の求人は、地域の折込求人広告・職安などで募集していることが多いようです。

看護師転職サイトで検索したところ、見当たりませんでした。

私の経験上、友人からの紹介で入職する方も多い印象です。デイを経営している人から聞いたのですが、大手以外のデイサービスは看護師募集のノウハウがないうえ、求人広告にお金をかけたくないとの話でした。

派遣看護師として扶養内看護師として働く

雇用形態派遣看護師(単発)
就業先健診会場・福祉施設など
勤務時間など午前のみ・午後のみ・AM11時~14時など多様
給与など時給1850円~2100円 8万5千円/月 130万円以下/年
備考年収制限については自分で管理するため、うっかり働きすぎに注意

派遣看護師は自分で応募して仕事をとってくる必要があり、年収は安定しません。健診会場などは技術の安定したきまったナースに声をかける傾向にあるためです。継続して単発の派遣案件が取れるかは看護師の能力次第。

ただし、福祉系の仕事であれば、比較的いつでも仕事はとれます。

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2023年からの扶養の範囲を超えても扶養内とするとは? 

日本政府の方針により、

2023年から2年間は「年収130万円を超えても社会保険の適用から外さない」制度が一時的に導入されました。(2023年10月20日以降適応)。

扶養をされないようにするために働き控えをしていた労働者が、扶養による所得限度額を気にせず働けるようにするためです。

職場の人手不足解消を狙ってのこと。

まさに、年末に慌てて働き控えをするパート看護師にも当てはまりますね。

なお、2024年以降社会保険の適応が収入月額88000以上、従業員数51人の企業へと変更になります。

従業員数の上限がドンドン小さくなっている……

さらに、2025年10月以降にパート従業員が年収130万円を超えた場合に社会保険がどうなるのか、の方針については発表されていません。

今までの経緯で社会保険の適応範囲がじわじわと広がっていることを考えると、扶養の範囲が狭くなって社会保険に入ってねといわれるパートは増える予感がしますね……

扶養の範囲で働くならライフスタイルと将来性を考えて

扶養の範囲内で働く看護師がいるのは、看護師の仕事と家庭を両立しやすいから。労働時間は年収に直結しますが、働く範囲を考えることは、ライフスタイルを考えることでもあります。今後は社会保険の適応範囲が変更になることも考えられるため、政府の発表を注視しながら今の働きかたは本当にあっているのか?を考えていきたいものですね。

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この記事を書いた人

看護師歴20年以上、女の子のママ。
転居や子どもの預け先がない時など転職歴あり。
(大学病院小児外科・外科病院・急性期総合病院外来・保育園など)
自分が子育てと看護師の両立には苦労した経験から
よりよいナースママライフの知恵を提案します。

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