- 病棟看護師を辞めたいのに引き留めに会って辞めさせてもらえない……
- 退職の順番待ちしている看護師がいるから来年までやめさせられないって師長に拒否された!
退職の引き延ばしに会うナースは多くいます。

実際に私も退職時には引き止めに会いました。
今回は、退職を申し出たのに拒否された場合の対処方法と、引き留めに合いにくい退職理由を私自身の経験談に基づきわかりやすくお伝えします。
引き止められやすいナースについての見解もついていますよ。辞めたいけどやめられないナースのあなたは必見です!
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看護師がなかなかやめさせてもらえないのはよくあること?


看護師が辞めさせてもらえない理由の一つとして、職場からの強い引き留めが挙げられます。退職の強い引き止めは拒否できるのか? 法律について考えてみましょう。
看護師は退職の強い引き止めを拒否できる
看護師が退職を申し出て職場から引き止めにあった場合、拒否ができます。
根拠は以下の通り。
労働基準法第20条では、労働者は、いつでも雇用契約を解除できると定められています。正社員など雇用期限に機嫌がない場合は2週間前の申し出をもって「労働契約は終了する」と定めています。
退職希望の意志がある労働者を、事業主は、退職の時期を変更させたり退職を思いとどまらせたりするために、労働契約上の地位を不利益に扱うことはできないのです。



まあ、奴隷ではないので、労働者の権利として当然だろうと思います。
退職の自由に関する法的な取り決めとしては他に以下のようなものがありますよ。
- 期間の定めのない職員(つまり正社員)は、退職の申し出から2週間をもって労働契約の終了とする(民法第627条第一項)
- 期間の定めのある職員(非常勤・パート)は、契約終了期間をもって退職とできる。(民法第628条)
- 期間の定めのある職員は、契約終了期間前でもやむを得ない理由があれば退職できる。(民法628条)
- 期間の定めのある職員でも、1年以上継続して勤務していれば、いつでも退職できる。(労働基準法127条)
参考サイト:大阪府労務局
就業規則の確認は必要


退職の申し出の前に、就業規則を確認しましょう。「就業規則に退職の申し出は1か月前と書いてあるから、2週間前の退職は絶対に認めない」などといわれてしまうことがあるためです。



え、じゃあ規則に退職の申し出では3か月前って書いてあったら3か月はやめさせてもらえないの?



いえ、そんなことありません。
法的な効力でいうと「民間病院内で決められた就業規則よりも民法の方が上」だからです。
ただし、委員会や教育係など重要なポストについている場合、
引継ぎ期間を設けるなど残る職員に迷惑が掛からないようにする必要があります。
看護師が退職の引き留めにあったときの4つの対処法


対策1・毅然とした態度を貫く
看護師が職場を辞めると決めたからには、辞める意思をはっきり示す必要があります。
病院側が「ゴネたらこの看護師は退職を引き延ばしてくれるんじゃないか」とおもう隙を与えると、引き止めにあいやすくなるからです。



私も、多くの職場で引き止めに合い、退職を先延ばしにした看護師を見てきました。
引き止にあいやすいタイプの看護師はあります。
- 同期の代わりにクレーム対応など嫌な役目を引き受ける
- 依頼されて残業をかわってあげている
- 普段から人の意見を素直に聞く
しかし、退職しなければ自分の道へと進めません。
優しい人こそ、きっぱりと退職の意志を示す必要があるのです。
対策2・期限を決めて宣言する
師長と一対一だと、丸め込まれて退職を引き延ばされるなら、思い切って外部にも退職の意志を告げてしまいましょう。
外部とは、同じ部署の同僚看護師・他部署の総務部や人事部、それでも聞いてくれないなら
医事課や検査部門などです。
本当はぎりぎりまで外部には言いたくないものですよね。



師長の立場を考えると、外部に漏らすのは気の毒なことですよね……わかっています。
しかし、きいてくれないのですから仕方ありません。外に漏れれば直属の上司も「○○さん辞めるんだって?」ときかれることとなり、無理に引き止めていることも外部にバレてしまいます。
今まで見てきた中でいうと、師長さんは、外部からどう見られるかを気にする人が多いのです。
無理に引き止めていることが周囲にばれるのはプライドが傷つくため、退職届も受理してくれる可能性は高くなります。
対策3・退職届を書く
「退職願」ではなく「退職届」を書きましょう。
- 退職届……退職の意志は自分で決めていて、退職する期限も決めて申し入れをするための届け出
- 退職願い……退職の意志を伝えるものの、就業先の許可によって退職が決まると思われる懸念がある
上司が退職届をうけとる・うけとらないで揉めることがあるかもしれません。
退職届の受領を拒否されてこまったら、人事部あてに内容証明郵便で送る方法もあります。
内容証明郵便はいつ・だれからだれにどんな郵便物を送ったかという記録が残ります。たしかに退職届を郵送で送った事実が証明されるんですよね。



「退職の意志を知らなかった」といわせない方法です。
まあ、手荒な方法なので、退職届を送り付けなくても職場で静かに受け取ってほしいものですけどね……。
対策4・退職代行を使う
最終手段が退職代行を使う方法です。
看護師が遭遇する「半年待って」「1年先まで待って」という長い引き止めを覆し、即日退職できる方法。辞めたいのに辞められず、転職先にうつれないなど困るようなら強硬手段もやむを得ないでしょう。退職代行のメリット・デメリットは以下の通り。
退職代行のメリット | 退職代行のデメリット |
---|---|
一律料金で追加料金が発生しない 事務的な手続きから連絡の代行まですべて業者がやってくれる | 確実に退職できる言い難い |



自分でどうにも退職交渉ができないのなら、業者に入ってもらうのも一つの手です。
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看護師が確実に退職できる退職理由


退職理由に付け入るスキがあるから引き延ばされるのです。自分ではどうにもならない理由で退職しましょう。
理由➀結婚・育児・介護など自分以外の家族の都合
勤務先が退職させてくれないなら、自分ではない理由を退職理由にしましょう。家族など第三者の理由であれば、付け入るスキがないためです。
- 介護のために、定期的に遠方の実家に通う必要がある
- 子どもの就学にあたり学童に入れない
- 夫に仕事を辞めて家に入るように言われた
「やりたい看護を見つけたいから」「他の科を経験したい」などの曖昧な退職理由では「じゃあ、他の病棟に移動しましょう」と師長にいわれます。
「夜勤がきついから」といえば「みんなやっている」もしくは「外来へ移動する?」などといわれます。
理由②転職先が決まっていて入職前に退職する必要がある
退職の意志がしっかり決まっているのであれば「転職活動をしていて、すでに入職日が決まっている」ことを告げましょう。



行き先が決まっている看護師をしつこく引き止める職場は、私の経験上みたことがありません。
転職先が決まっていることで、上司に「転職の意志が固いんだな」と思わせます。
なお、これも経験上ですが「転職先が決まっているなら新しい職場の契約書見せてくれる?」などという上司もいません。
転職先が決まっていることを証明する必要などないのですよ。
理由③激務による体調不良
体や心が職場の勤務実態についていけないのも立派な退職理由です。
看護師の仕事は、体にも心にもハード。交代勤務や残業が体に負担をかける場合も多々ありますよね。
でも「きついから無理」を理由に退職しようとすると次のように言う師長がいます。
- 他のスタッフはみんなやっている
- ○○さんは他に委員会だってやっている
他のスタッフが頑張っているのはわかったけど、私には無理なんだよ~!
って言いたくなりますよね。体力やがんばりなんて、他のナースと比べることじゃないんですよ。



ナースなら、診断書を依頼してもなかなかドクターが書いてくれず、1〜2週間かかるのはご存じですよね。もっとかかることもあるし。
早めの行動が肝心です。
看護師の退職に関するQA


看護師歴20年以上・自分も転職歴があり、職場をさっていくナースたちを見てきて退職に関する対処法は身につきました。皆さんの疑問に答えます。職場やケースによりますので参考程度に読んでくださいね。
- 退職届を師長に出そうとしましたが受け取ってもらえません
-
正社員の場合、退職の「申し出」から退職日まで2週間あれば退職が可能です。受領の可否は関係ありません。しかし退職届を受け取ってほしい場合は以下の方法があります。
- 師長の前で、師長の机に退職届を出して写真撮影する
- 人事部や総務部に出してしまう
- 職場宛てに内容証明郵便で出す
- 看護部長に出す
しかし、いずれも円満に提出したとは言えませんね…静かに受け取ってくれればいいのですが。
- 人手不足を理由に引き留めに会い、1年も退職を延ばされました。限界が来るほど嫌ですが、仕方ないのでしょうか。
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労働者には退職の自由があります。行きたくもない職場に1年も縛られるなど、自分の人生を無駄にしているのも同然。
人手不足は職場の努力不足であって、いち看護師の責任ではありません。退職の意志が固まっているのなら、引きのばされても毅然とした態度で辞める姿勢を通しましょう。
- 「今やめると残りの有給はつけない」と師長に脅されています。残った有給は捨てるしかないでしょうか。
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有給取得は労働基準法39条で定められた労働者の権利です。やめるのが気に入らないからと言って「有休を与えない」と脅すことは許されない行為。
最寄りの労働基準監督署に相談しましょう。監督署から職場に連絡がいき、対応してくれるはずです。
- 「病棟は人手が足りなくて困っているのに辞めるなんて私たちを見捨てるのか」と師長にののしられました。
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聞き流しましょう。人手が足りない責任は職場にあります。職場環境を改善しないから看護師がやめるんですよね。
可哀そうなどと思ったらずるずると退職を引き延ばされることになります。あなたはあなたの人生を生きましょう
- 退職届は受理されましたが、残り1か月、仕事に行くのが気まずいです。
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「気まずい中に行く」と思うから気まずいのです。通勤して仕事をするのは、習慣としては歯を磨くのと同じと考えましょう。仕事としては、患者さんにとって必要な看護を1日ずつ誠実にするだけ。
あなたが思っているほど、スタッフは辞めていく看護師に注目していないものですよ。
- 「引き止めているのに強引に退職するのなら損害賠償を請求する」といわれました。本当に請求されますか。
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看護師が突然退職することによって職場が不利益を被ったと言って損害賠償を請求させる危険性は、ゼロではありません。
しかし「職場の不利益が辞めた一人の看護師のせいだ」と法的に証明することは難しいうえに、請求には弁護士費用もかかります。ほとんど実りのない損害賠償請求を職場が実際に起こす確率はほとんどないと予想します。
しかし、突然の退職によって職場に迷惑が掛からないよう、引継ぎは念入りに行っておきましょう。
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看護師が退職したい理由は「残念な人間関係」や「労働条件がはじめと違う」などさまざま。そして、退職を引き止める病院は、職場環境が悪くて人が集まらないから今いる看護師を引き止めるしかない。職場都合の無理な引き留めをきく必要はありません。
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